マンスリーマンションと賃貸マンションは似てはいますが、多くの点で違いがあります。では、具体的にそれぞれどのような特徴があり、どのように選択すれば良いのでしょうか。ここではマンスリーマンションの特徴、賃貸マンションの特徴、それぞれどんな人におすすめなのかについて解説していきます。
マンスリーマンションの特徴
マンスリーマンションは、その名の通り月単位で借りるものを言います。契約期間の最小単位は1ヶ月、最大単位は364日を設定していることがほとんどです。364日以上、つまり1年以上借りたい場合は、賃貸のように自動更新されないので、契約期間終了後に新しく契約し直す必要があります。
物件には冷蔵庫、洗濯機、調理機器、ベッド、照明など生活に必要な家具、家電を完備しており、中には歯ブラシ、洗濯用洗剤、シャンプー、清掃用品、調理器具、食器などが備え付けられているものもあります。このようにマンスリーマンションは、生活に必要なもののほとんどが揃っているので、自分で買い集めたり、大型の荷物を運び込んだりする手間がありません。
ガス、電気、水道などの光熱費は料金に含まれており、インターネット環境が使い放題の物件も数多くあります。これらは大きなメリットと言えるでしょう。
また、一般的な賃貸のように敷金、礼金、保証料、光熱費に関する契約も不要なので、手間がなく、入居にかかる時間も早くて即日、遅くとも3日くらいと非常にスムーズです。急な出張ですぐに入居先を探さないとならない場合などには、非常に有用な手段となるでしょう。
マンスリーマンションの料金は、1ヶ月あたりに換算してホテルより格安で賃貸より割高になります。
賃貸マンションの特徴
賃貸マンションは、その名の通りマンションを賃貸するものです。自分のものにはなりませんが、所有に伴う税金などがかからないのでお金さえあれば比較的手軽な居住方法と言えます。契約期間は通常2年で、借主からの意思表示がなければ自動更新されます。
ホテルやマンスリーマンションのようにベッド、テレビなどの家具、家電は備え付けられておらず、それらは自分で調達しなければなりません。つまり、長期の入居を前提とした契約になります。
賃貸マンションは、一般的に仲介業者が借主を募集、貸主と結びつけ賃貸契約を結ぶ形になります。このため、借主が経済的、社会的に賃貸する相手としてふさわしいか審査する必要があります。
また、入居の際には敷金、礼金、保証料、鍵の交換代などさまざまな名目でのお金をまとめて用意する必要があり、それに伴う手続きに多くの時間を割くことになります。
賃貸マンションの家賃は、物件によって大きく異なります。築年数の多い古い物件や、交通の便の悪い物件はアパートより家賃が安いこともありますし、いわゆる高級マンションは、家賃100万円以上のスイートも用意されていることもあります。
仮にマンスリーマンションと同程度の築年数、使用建材の物件だと仮定すると、賃貸マンションはホテルやマンスリーマンションより、1ヶ月あたりにかかる金額は割安と言えます。ただし、上記のように契約期間が通常2年なので、簡単に解約できるものではなく、場合によっては違約金の支払いを要求されることもあります。
また、入居前にかかるお金が高いのですぐに住み替えると、コストメリットを大きく減じてしまうことになります。
それぞれどんな人におすすめ?
マンスリーマンションは、契約期間を短く設定でき、入居にかかるお金や時間、手間を節約できることが最大のメリットです。「数ヶ月の出張」「同じ場所に長期滞在するが、コストを抑えたい」「契約や手続きに時間や労力をかけたくない」などと考えている方にとっては、最良の選択肢と言えるでしょう。
宿泊というサービスを前提としたホテルと違い、生活の拠点として捉えられるマンスリーマンションは、コストパフォーマンスに優れた選択肢なのです。ただし、年単位で利用を考えている方はそのコストパフォーマンスを活かせない可能性があります。
上記のように家具、家電などがついているマンスリーマンションはその分が料金に上乗せされており、1ヶ月あたりの家賃が低い賃貸マンションとの差は、1年ほどで埋まってしまいます。それゆえ、年単位での利用を考えているのであれば、賃貸を利用した方が結果として安上がりになります。
賃貸マンションは、初期にかかる費用や手間は大きいですが、上記のように長く居住することでコストパフォーマンスを発揮するでしょう。自分の気に入った家具の選択、配置を選べるのもメリットで、壁紙を自分で張り替えられる物件もあります。
長期の居住が前提でコストと生活の質を両立させたい方は、賃貸マンションを選択することをおすすめします。
まとめ
マンスリーマンションの特徴、賃貸マンションの特徴、それぞれどんな人におすすめなのかについて解説してきました。マンスリーマンションは、コストパフォーマンスに優れますが、賃貸マンションと比較して長く居住するほどそのメリットを減じていくことになります。自分がどのくらい利用する予定なのか、どのような生活をしたいのかを考えて選択することをおすすめします。